アトピー体験談⑥ステロイドは正しい使い方をすれば悪ではなかった
アトピー体験談⑤の続きです。
◆アトピー治療で有名な皮膚科へ行ってみる事に。
何年も行ってない皮膚科。やはり、過去の経験からステロイドや皮膚科そのものに対する嫌悪感があったのですが、「とりあえず一度、皮膚科に行ってみよう。」
そう決意しました。
上の子の幼稚園では、アレルギー持ちのお子さんも何人かおられます。
その中でアトピーを持っているお子さんもいて、そのママから皮膚科の色んな情報を得ました。
そこで、あるお母さんが「近くのA皮膚科がいいよ!」と言ってくださって、もう何年ぶりかわかりませんが本当に久しぶりに皮膚科へ行きました。
実際に行ってみると、そこは小さなクリニックですがまだ新しくて建物も院内もキレイでした。
内装は淡いピンクを基調にしていて、お花が飾ってあったりなんだか温かい雰囲気の院内です。
受付を済ませて、しばらく待って私の番になり、診察室に通されました。
診察してくださったのは、穏やかそうな女医さん(院長先生)でした。
そして私は先生に、
•幼稚園からステロイドを何年も常用していた事
•7年前に脱ステロイドをしてすぐにリバウンドに見舞われた事
•その後ステロイドを使わない生活を、不安定ながら今までなんとかしてこれた事
•そして第二子出産を機に、また振り出しに戻ったかのようにアトピーが再発してしまった事
全部話しました。
その上で先生に「できれば、なんとかステロイド使用以外の方法で、他の治療法はないものでしょうか?」と聞いてみました。
うん、うん。とうなずいて聞いてくださり、私の話にしっかり耳を傾けながら、私の首や腕、デコルテ、全身の症状を見てくださり、しばらくしてわた先生がおっしゃった事。それは・・・
「うん。でもね、もうアトピーの症状がここまできちゃってるとやっぱりステロイド使ってガツンとまずは抑えてあげないといけないよ。期間限定でしっかり使って、通院してください。でないと、赤ちゃんかかえてストレスでもっとひどくなっちゃうよ。」
・・そうですか、わかりました!
とは言えなかった私。かなりしぶってしまいました。
どうしよう、またステロイド使うの?せっかくやめられたのに?
幼稚園から今までの色んな事が一気に頭の中を駆け巡り、しばらく黙ったままでいました。
先生の説得力と、半ばその空気に押されてしまい、しぶしぶ「・・わかりました」と、了承しました。
了承した後も、やっぱり迷いや後悔で頭の中はいっぱいでした。
すると、私にとって驚くべき事が起こったのです。
◆ステロイドの使い方を初めて説明された
またステロイド使ってしまう。また一からやり直しになってしまう。そう思って黙っていたら先生が、
「じゃあ、どの箇所に何の種類のステロイドをどれくらい塗るか、一度全部ここでシュミレーションしていきますね。」
そう言って、助手の方と先生に説明されながら、
顔はこのステロイド、デコルテはこの種類だけど首の後ろは皮膚が厚いのでこれ、腕と脚はこれ。
といった感じで、部位によって使用するステロイドの種類も違い、使用量も詳しく教えてくださったのです。
そして実際にどう塗るか、その場でそれぞれの幹部に丁寧に塗ってくださりました。
さらに体全体のイラストが描かれた紙に、わかりやすく詳しく書いて説明して頂いて、それを渡されました。
えっ!?
皮膚科のアトピー治療って、こんなに丁寧に説明してくれるの!?
目からウロコでした。
私は何年も皮膚科に行ってないからわからなかったのですが、現代のアトピー治療だからこんな感じなのか、このクリニックだからこんな感じなのかはわかりませんが、とにかく言える事は、
私が小学生からずっと通っていたあの地元で有名なお医者さんでは、患部をしっかりと診る事なく、私の顔すらも見ず、私の話をじっくり聞いてくれる事もなかったんです。
この余りの違いに、本当にびっくりしました。
もし私が、アトピーを発症した小学生の時にここの皮膚科で初めて治療を開始していたら、私の未来は変わっていたかもしれない。そう思ったほどです。
帰宅して、お風呂上りに先生の仰ったとおりの塗り方を早速実践。
本当に何年振りかのステロイドです。懐かしいというか、なんとも複雑な心境でした。
それからは、先生の言われた通りの期間をきっちり実践しました。その都度通院、そして指示を仰ぎます。
その結果、私のアトピーはどうなったかというと・・・
◆指示通りにステロイド使用、再開。その結果は?
このように先生の指示のもとでステロイドを使用したのですが(強→弱に徐々にランクを下げながら、数か月かかりました)、あれからもうすぐ1年になりますが、現在は全く何も使用しておりません。
思い返せば昔通っていた皮膚科では中クラスのステロイドをいつも処方され、
それでも痒いと訴えるとすぐに強クラスのステロイドを「じゃあこれ使ってみて」と出されて終わりです。
ステロイドについての説明なんてもちろんなくて、使い方や使用期間の説明もありませんでした。
「アトピーにはこれを塗ったら良くなるから、無くなったらまた来て」という感じです。
しかし今回の女医の先生は、脱ステの経験も含めてしっかりと私の話に耳を傾けて頂き、患部を実際に見て、いろんな事を説明してくださいました。
そして驚いたのは、通院のたびに実際に私の皮膚の肌触りまで確認して頂いたことです。
私には「ここの部分はかなりキレイになってきたかな?」と思えても、先生は 皮膚を触ってチェックして、「ううん、まだきれいにはなってないね、もう少しここを治すのを頑張ろう」
といった感じです。
きちんとした先生のもとで、きちんと正しく使用するステロイドは決して怖くない。
むしろ適正な使い方をすれば、私たちの味方をしてくれる魔法の薬なんだ
と、今回の経験で身をもって痛感しました。
現在ステロイドは使用しておりませんが、再発を未然に防ぐ為、数か月に一度ですが定期的に先生のもとへ通院しております。
そしてスキンケアやサプリなどの研究は昔から今現在も継続しており、今までのアトピーの経験から培ったものは私にとって大きな糧となっております。
現在は、自分なりに「これだ!」と思えるお肌にイイモノを選んで使用しております。
御陰様で、今の肌は自分史上一番良い状態を保つことが出来ております。
アトピーはアレルギーの体質のひとつなので、根本的に完治するのは難しいかもしれませんが、ほぼ完治に近い状態までコントロールをしていくことは可能だと自分の経験から断言できます。
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アトピー体験談①~⑥まで、お読み頂きありがとうございました。
この私の経験が少しでも誰かの知恵となりヒントとなり、そして光となれば幸いです。
一緒に頑張りましょうね!!
アトピー体験談⑤妊娠中につわりで悪化し、出産後に再発。
アトピー体験談④の続きです。
◆妊娠でアトピーが悪化!第一子の時と色々違った!
一人目と何が違ったのかというと「つわり」の症状です。
一人目の時のつわりは結構ひどく、吐き悪阻で寝たきり。食べられるものは毎日トマトとブロッコリー。それだけでしたが、お野菜やフルーツ、ヘルシーなものを好んで食べていました。
しかし二人目の時もつわりはひどく、同じ寝たきりの吐き悪阻なのですが食べられる物が全然違います。
それは、袋ラーメン、スナック菓子、駄菓子です。
アトピーの方は聞いただけでも「あちゃー・・・」って感じの物ばかりですよね。
妊娠、つわりの度に嗜好が変わる事もあるそうですが本当です。
しかしなんとまぁジャンキーなものばかり・・・
アトピー経験者の私も当時、あまり体に良くないのは重々わかっていたのですが、なんせ悪阻。
寝たきりでしんどくて辛くて、何も食べられないけどそれだったら何とか食べられる!!
オエーっとなり、泣きながら這いつくばってキッチンにあるスナック菓子を開けて食べていました。
悪阻を経験した方なら少しはわかって頂けるかもですが、本当に辛い日々でした。
しかし毎日そんな食生活を続けていると・・・。やはり体に良いわけがありませんよね。
小康状態を保っていたアトピーの症状が少し出てきてしまい、アトピーの症状に加えて顔のフェイスラインに原因不明の湿疹がでてきてしまいました。
しかしこの時もステロイドは使っていません。
とにかく顔が痒くて痒くてたまらず、夜中無意識に掻いてしまいます。
爪を立てて掻いてしまっているので、勿論顔は傷だらけ・・・。
なんとその頃、上の子の幼稚園入園式を間近に控えており、こんな顔で子供の入園式の写真に載るなんて・・・と、物凄く悩んだ記憶が有ります。
そんな中、つわりも無事に数か月で終わり、食生活もお野菜中心の体にいい物を心掛け、なんとか入園式も終え、そしていよいよ二人目を無事出産します。
産後すぐは特に目立ったアトピーの症状も無かったのですが、
退院して自宅に戻って一か月程経った頃・・・。
じわじわと、大きな波がやって来るのでした
◆第二子出産後にアトピー再発!大爆発!
第二子出産後、一か月程して自宅に帰ったあたりでしょうか・・・。
ん?なんか痒い。痒い。
首も腕も脇もヒザの裏もかゆいかゆいかゆい。アトピーだった部分がかゆい。
そしてなぜかわからないけど、また顔も腫れている・・・瞼も腫れて赤い!!!
一人目の時は特に産後も穏やかだったのですが、二人目の出産後はアトピーが完全に再発してしまいました。気づけばまた常に掻きむしっています。
数年前に脱ステロイドもして、しばらく何とか小康状態を保っていたのに・・・
「なんで?なんで?産後いきなり体質が変わってしまった?」
そんな事を思いめぐらせ原因を考える日々。
ふと、思い当たる節が。
「そういえば第二子妊娠中のつわり期間の食事メニュー、ひどかったな・・・」
そうです、袋ラーメンカップラーメン、スナック菓子に駄菓子。
もちろん好き好んで食べていた訳ではないのですが、もしかしてその反動が今きてしまっているのでしょうか?
真相はよくわかりませんが、一人目の時との違いは悪阻の期間中に食べたものが違う、あとは一人目は女の子、二人目は男の子、違いはそれだけでした。
それか、もしかしたら本当に今回の出産で体質が変わってしまったのかもしれません。
とにかく全身アトピー症状が復活しました。
五年ぶりの育児。
私も第一子出産から五年も歳を取っているわけで、やはり体力的にもしんどくて、新生児の24時間体制のお世話もあり、寝不足もピークです。
追い打ちをかけるように、意味不明のアトピー大爆発。
夏だったので汗でもかゆくなってしまって、色々積み重なりかなり精神的にもイライラ追い詰められます。
ストレスがMAXになり、思わず泣きながらお母さんに電話をしてアトピーのことをぶつけると、
母 「また、皮膚科に行ってみたら・・?」
私 「皮膚科なんて行ったってまたステロイド渡されるだけじゃん!せっかく7年前に脱ステロイドしたのに、また今更塗ったらバカみたい!」
母 「もうあれから何年も経ってるし、今なら違うアドバイスをされるかもしれない。新しい病院に行ってみて、きちんと相談してみては?なによりあんたのストレスを軽減しないと、イライラしてると子供にも良くないよ。」
・・・そう言われました。
もう二度とステロイドなんて塗るもんか!って思っていました。
私のアトピーは、脱ステロイドに成功したから無くなっちゃったかも!って思っていました。
だから、この状況がものすごく悔しかったです。
でも今、一番に優先して考えないといけないこと。それは、私と子供が笑顔で過ごせること。
もう私ひとりの生活ではありません。
私は家族みんなの「お母さん」なのです。
いつも明るく、できるだけアトピーによるストレスをなくし、毎日笑顔で子供たちと接したい。
そして考えて考えて、私が下した決断は・・・。
アトピー体験談⑥に続きます。
アトピー体験談④自己流の脱ステロイドの経過とリバウンド
アトピー体験談③の続きです。
◆自己流で脱ステロイドを実践した結果
脱ステロイド。
アトピー患者さんなら「脱ステ」という言葉などで、1度は耳にした事があると思います。要するにステロイド使用を絶つのです。
脱ステロイドをする際、お医者様のもとで実践される方もいると思うのですが私の場合は完全に自己流でした。
方法としては、とにかくいきなりステロイドの使用をやめました。
今まで10年以上に渡りスキンケア感覚で塗っていたステロイドを、一気にやめたのです。
しかしそんないきなりの辞め方をして、待っていたのは・・・
すぐさま襲われた全身の耐え難いリバウンド。
もう痒いなんていう次元を超えて、とにかく皮膚が大変な事になります。
顔はただれ、まぶたは真っ赤に腫れ上がります。
首や腕の内側、脇、膝の裏がジュクジュクになって、汁が吹き出します。
全身がただれて熱をもって、とにかく冷やしました。
・・・この状態が数か月続き、余りにも辛くて、精神的におかしくなってしまうほどです。外出なんてできる状態ではありませんでした。
来る日も来る日も大声で泣きながら
「こんなことならやっぱりステロイドを使いたい!!」
という衝動にかられますが、せっかくここまで頑張ったからには使うわけにはいかない、そう思いました。
間近で見ていた母も、同じように辛く泣いていた時もありました。
◆脱ステのリバウンド中に考えないといけないことは他にもある
その時もうひとつ大変だったのは、「仕事をどうするか」です。
休む訳にはいかない。でも仕事柄お客様と接するので、この状態で職場に行くのは本当に苦痛でたまりませんでした。
しかし当時の店長が大変理解のある優しい女性で、人員不足にも関わらず私に一ヶ月ほどの休暇をくださったのです。
「モリコちゃん元気になって、アトピーが良くなったらまた出ておいでね。」
そう声をかけてくれた事は今でも忘れません。
そして自宅療養に入ると、しばらく職場に行かず治療に集中できるという安心感からか少し精神的に落ち着きを取り戻しました。
でも、もし私のように実家住まいとかでは無く一人暮らしで、金銭的にも頼れる所がない方は、お仕事を休むのは実質問題かなり難しい話だと思われます。
しばらくすると、ジュクジュクだった皮膚がだんだんとゴワゴワの象のような固い皮膚になっていきます。
しかし、完全にきれいな皮膚になることはありませんでした。
そして脱ステロイドから半年あたり経った頃でしょうか、幹部にまだ痒みや赤みはあるものの、私はなんとかステロイドを使わないで生活を出来るまでになりました。
それからは、皮膚科にステロイドを貰いに行く事はなくなりました。
脱ステロイドに関しては患者さんやお医者さんの間でも多くの意見や賛否両論あり、私自身試した方法が合っているのか間違っているのかは今でもわかりません。
いや、おそらく「間違っている!」と言われると思います。なんせ自己流です。
一歩間違えれば、ただれた皮膚からの感染症などにもなりかねません。
ですので、私の事例を参考にされるのではなく、実践される場合は出来れば信頼できるお医者さんと相談してほしい、というのが今の私の意見です。
◆アトピーと結婚・妊娠・出産
脱ステロイドをして二年近く経った頃でしょうか、当時お付き合いしていた主人と結婚します。
その頃の症状としては、ステロイドをやめた代わりにたくさんのサプリやスキンケア、
保湿剤などを本当に片っ端から、数えきれないほど自分なりに試して研究しました。
サプリもしばらく試してみて「これはいいかも!」「これは余り効果ないかな」なんて言いながら、
しかもスキンケアでピリピリしたり合わなかったものは使い続ける事が出来ないので
、本当に無駄にしてしまったものは多いです。
なので当時はそこにかなりのお金を使っていました。(まだ子供もいなくて共働きだったので、お給料で結構自由に使えていました。)
日々試行錯誤したその成果もあり、私のアトピーは小康状態を保っておりました。
しかし完璧にアトピーが良くなった!という訳ではありません。
良い状態をなんとか保ってはいますが、時には掻きむしったりガサガサになったり不安定になる時も勿論ありました。
・・・そんな中、念願の第一子を妊娠します。
妊娠中はアトピーが悪化すると聞いたことがあり、また再発してしまうのか?と不安に思っていたのですが、特にそういった事もなく無事に第一子を出産。
産後もアトピーになりやすい、なんて聞いていたのですが、産後いきなり悪化!なんてこともありませんでした。
その後もスキンケアやサプリメントによってアトピーは小康状態を保ちながら、慣れない育児や子育てをしながら慌ただしく月日は過ぎていきます・・・。
そして第一子出産より5年経ったころ、第二子を妊娠します。
「一人目の妊娠中も別にアトピー再発や皮膚トラブルも無かったから、二人目も普通にマタニティーライフを送れるだろう」
そう思っていたのですが・・・
アトピー体験談⑤に続きます。
アトピー体験談③会社のストレスでアトピー再発、転職を決意する
アトピー体験談②の続きです
相変わらず、何年にもわたる「日々スキンケアのようにちょこっとステロイドを塗る」という方法で症状が抑えられ、大学生の頃の写真を見てもやはり見た目としてはほとんどアトピーとはわからない感じです。
そして大学での就職活動を経て無事卒業し、晴れて社会人となります。
◆社会人になりストレスによるアトピー再発
初めての就職、職場での馴れない環境や不規則な生活・・・。
さらに人間関係のストレスにより、今まで抑えられていたアトピーの症状が徐々に悪化し始めます。
今までのようにステロイドを塗ってその場では抑えられても、それでもまたすぐに掻きむしってしまう日々。
当時の私は本当にハードな職場(商社に勤めておりました)、通勤時間は徒歩→バス→電車→地下鉄→徒歩で、なんと片道だけで二時間もかかっていました。
残業続きで帰宅は深夜。帰って夕飯もそこそこにお風呂に入って寝て、すぐまた朝になり、四時半には起床です。
まだまだ下っ端なので、朝は誰よりも早く出勤してお茶の準備や皆のデスクなどの掃除。
・・・もう本当に毎日ヘトヘトでした。
さらに追い打ちをかけるように、同じ部署の、私の教育係の女性の先輩(ものすごいネイルと鼻をつまむような香水のにおいのお方・・・)に理由もなく無視され、仕事を聞いても教えてもらえないばかりか邪魔をされる日々。
他の先輩方がいろいろと相談に乗ってくださったり、他の支店への移動も検討してくださったり、良くしてくださった方も職場にはたくさん居たのですが、それでも精神的にも肉体的にも相当なストレスを抱えており、ギリギリのところで毎日生きていたように思います。
入社して、このような生活が半年ほど続いた頃でしょうか。
ある日の朝。ストレスがピークに達し、ついに爆発してしまい、会社の給湯室で倒れてしまいました。
これをきっかけに、もう私はこの職場を去ることを決意し、地元での就職活動を始め新しい仕事を見つけます。
◆転職後、長年のステロイドによるアトピー治療に疑念を抱く
転職先の通勤は、車で通える範囲でした。
職場もアットホームで大変働きやすく、スタッフにも恵まれ、何より私自身ずっとやりたかった職種だったということもあり、本当にやりがいがありました。
そうして少しずつ精神的にも肉体的にも本来の自分を取り戻し、生き生きとまた働き始めます。
そして精神状態や思考回路も安定してきたこの時、私はあることを考え始めます。
この頃にはインターネットも十分普及していて、アトピーに関するいろんな情報を自分自身で調べることができました。
そこでふと思ったこと・・・
「私のステロイドの使い方・・・果たして本当にこのままでいいのだろうか?」
今まで小学生から長年皮膚科に通い、ステロイドをその都度処方されてきました。
今思えば、お医者様は私の患部の症状を見る事もなく、話を聞いてくれるわけでもなく、いつも「ステロイドなくなった?じゃあまた出しときますねー」の繰返し。
無くなったらまた塗る。ダラダラと気まぐれに塗り続けるというのを十何年も続けていました。
そういえば初めてステロイドを使い始める頃から、お医者様から適切な使い方や説明もなかったなぁ・・・
何年も何年も塗ってきて、治ってるように思ってたけど、何かの要因でアトピーはまた出てくるんだ
実はこれはこれは対処療法で、アトピーの根本的な解決にはなっていないんだ、
ただ単にステロイドによって症状が抑えられていただけなんだ・・・
「これじゃだめだ、また何かのきっかけで大きなストレスがかかるとアトピーが大爆発してステロイドも効かなくなってしまうかもしれない」
そう思った私は、しばらく悩み考えた結果、
小学生から続いた本当に長いアトピーとステロイドの関係に重大な決断をくだすのです。
それは・・・
脱ステロイドという、大きな大きな選択でした。
アトピー体験談④に続きます。
アトピー体験談②ステロイドを初めて使用して治療したのは小学生だった
(アトピー体験談①)の続きです。
最初は背中や部分的なかゆみ、カサカサでしたが段々と悪化していき、小学校3・4年生あたりの写真を見ると、典型的なアトピーの症状が現れていました。
なぜこの時期に急激にアトピーが悪化してしまったのか、おそらく原因はあの事だろうな・・・という見当は自分の中でついています。
幼心にかなり寂しい時期を過ごした時期がありました。
いわゆる典型的なストレスですね。
当時の私の症状としては、
顔で酷かったのは特に目の周り、あとは耳たぶが常に切れていました。
体では首、脇、腕の内側、ひざの裏側が掻きむしって酷かったです。
アトピーによくある疾患の場所ですね。
この頃からは常に無意識に掻きむしってしまい、学校などでは友達の目もあってある程度我慢できるのですが、家に帰ると人目から解放され、ものすごく掻いてしまいます。
特にお風呂に入った後やお布団に入った時は、体が温まってしまうのでかゆみが酷かったです。
ただでさえまだ小学生なのに、あのアトピーの得体の知れない痒みなんて我慢なんて出来ないんですよね・・・大人でも我慢できません。
そして急激に悪化したこの辺りから、母に連れられ本格的に皮膚科に通うのです。
◆地元で有名な皮膚科へ。ステロイドとの出会い
今なら病院の口コミ、アトピー専門の有名なお医者さんなどをインターネットで検索すると、たくさんのヒットが出てきて、ある程度事前にその病院に対する知識や気持ち的にも準備が出来ますよね。
今は患者さんも病院を選べる良い時代となりました。
でも、当時はインターネットなんて全く普及しておらず、母もアトピーに関して何の知識も無いまま、とりあえず地元で有名な個人でやっておられる皮膚科の門を叩くこととなったのです。
そこは今でこそまだ有るのかわかりませんが、小さな個人の医院にも関わらず当時は院内もごった返し、中がいっぱいなので外で待たれている方がいるくらいの、いつ行っても本当に人気な皮膚科医院でした。
今は、「人気の医院は順番待ちもスマホやネットで」・・・なんてありますが、当時は予約システムなんてあるわけもなくただひたすら待ちました。
何時間も待って待って、小学生だった私はいい加減待ちくたびれた記憶が有ります。
そしてやっと、いよいよ自分の診察の番です。
初めて見た先生は、おじいちゃんと言うには失礼かもしれませんが年配のおじさんでした。
「これほど有名なお医者様、きっとこの子のアトピーも良くなるはず。」
母はそう信じて疑わなかったようです。
診察室に通されたのですが、そこで流れ作業のような簡単な診察をされました。
私や母の話をじっくり聞くわけでもなく、私の症状をパッと診た先生に、迷わずすぐに処方された物。
それは言うまでも無く、みなさんご存知のステロイドだったのです。
同時に、詳しい使い方や、メリットデメリットの説明ももちろんありませんでした。
「これ塗っておけば良くなるよ」と、まるで魔法のお薬を渡された感じです。
これが私とステロイドの初めての出会いとなり、これから本当に長い長い付き合いとなるのでした。
◆ステロイドを使用した治療を開始した
こうして、小学校3・4年から塗り始めたステロイド。
・・・手のひらにおさまるぐらいの小さなチューブ。
最初は、「こんな小さなチューブじゃ、全身なんかにぬったらすぐに無くなっちゃうんじゃないのかな?」
「そもそもこんな軟膏で本当に良くなるのかな?」
そんなことを母も私も思ったのですが、その成果はすぐに現れました。小学校の高学年の写真を見ると、一見アトピーとは分からないくらいになっていました。
ステロイドってすごいんだ
その効果に、母も私も感動しました。それからの私の日課は、
痒くなる→塗る。良くなってしばらく放置、また痒くなって塗る
というような、まるでスキンケア感覚でステロイドの使用を繰返し、無くなればまたお医者様に貰いに行く。という感じでした。
ステロイドのお陰で症状は完ぺきに抑えられ、特にアトピーが爆発する事もなく中学生、高校生となり、そして大学生となります。
アトピー体験談③に続きます。
アトピー体験談①幼稚園や小学生から急に症状が出だしたこと
皆さま初めまして、長年にわたりアトピーを経験いたしました30代、2児の子持ち主婦のモリコと申します(*^^*)
幼少期から始まり、ステロイド常用やリバウンドを経験し、あれほど重症化した私のアトピーは、今は他の方が見てもわからないくらいにほぼ沈静化、完治に近い状態でおります。
なぜここまで来られたのか・・・。
紆余曲折しながらたくさんの経験をし、溢れかえるアトピーの情報に試行錯誤しながらいろんな商品や方法を試して、そのたびに「これは良いかも!」「これは全然だめだ・・・」の一喜一憂を繰り返し、
最終的に今は自分なりの「いいもの」たちと出会えたからだと思います。
でも、今ここにたどり着くまでには、やっぱり相当の時間とお金がかかりました。
例えば体にいいとされている健康食品や、お肌にやさしいとされているスキンケアなどを試したくて、ネットで検索して、商品レビューや感想は比較的に良い評価でも、
「で、それはアトピーにもいいものなの?」
というアトピーっ子にとって肝心な情報がなかなか無くて、結局は自分で試してみるしかない・・・そんな日々でした。
だから時間がかかってしまったのですが、その分いろんなものを試すことが出来ましたし、そんな私だからこそ、この体験を通して得たアトピーに関する本当に役に立つ情報や品物などを、こちらに綴っていくことによって、
今も尚アトピーで苦しんでおられる方にとって少しでも誰かのアトピー治療の近道になれたら・・・。
この私の経験が少しでもヒントや希望となり、お力になれば・・・
ただただそんな想いで、一生懸命書かせて頂きますのでどうぞ宜しくお願い致します。
◆アトピーの始まり・赤ちゃんの頃はアトピーではなかった
現在、30代前半(ざっくりとですが・・・)の私が、アトピーを発症したのは、さかのぼること数十年前、あれは小学校1年生の頃でした。
産まれた時は赤ちゃん特有の、もちもちした普通のお肌。
幼稚園頃に入園したての頃の写真は、まだ肌もキレイで、ごくごく普通の幼稚園生。
ここまでは特に何のトラブルもなかったようです。
・・・しかし幼稚園年長さん、小学校に上がった時ぐらいから、その症状は徐々にやってきました。
最初の症状はまず(おそらく乾燥による)軽い全身のかゆみです。
夜になると決まって「お母さん、背中かいてー」といってきたそうです。
一緒にお布団で寝ながらお母さんが背中を優しくさすってくれるのですが、お母さんがウトウトして手を休めると、すぐに私はもっとかいてとグズグズ。
お母さんは、私が寝付くまでずっとさすってくれていました。
自分でも、「あぁ、そういえば背中さすってもらってたなぁ・・・」と、なんとなく覚えています。
夏休みにおばあちゃんの家にお泊りに行った時も、寝る時はずっとおばあちゃんに背中をさすってもらっていました。
そんな私を見て身内や周りのみんなは、
「かわいそうに・・・」 「痛そうやね、かゆいやろうね・・」常日頃そんな言葉をかけてきてくれたのですが、
当の私はというと幸いまだ幼いだけあって、人の目を気にしたり、自分自身で、
「アトピー辛いなぁ・・・」とか感じた記憶がほぼないので、当時の事をあまり覚えていないというのはそのせいもあるかも知れません。(比較的まだ症状も序の口でした。)
◆アトピーの始まり・小学生にあがり症状が一気に出てきた
そのまま小学生の3、4年生になり、少しづつ思春期を迎えます。
ちょっとだけオシャレをしたくなったり、周りの目が気になったり、気になる人の一人や二人出てくる年頃ですよね。
すると段々と、ある事に気づきます。
「あれ?みんなはきれいなのに、私だけなんで腕がこんなかゆくてボロボロなの?」
「なんで私はみんなみたいにきれいな顔じゃないの?」
そして次第に、“私の肌はみんなと何か違うんだ” というのを敏感に察していくようになります。
実際にこの頃の写真を見ると、
まぶたは赤く腫れ、首は酷く炎症を起こしてただれ、腕もひざの裏もかきむしった痕で大変な事になっていました。
こうなると、パッと見ただけでアトピーと誰もがわかる感じです。
これは女の子だけにやはり辛いものがありました。
・・・そうすると、私自身すごく悩むようになり気になってしまい、自分自身のアトピーとの付き合い方が今までの幼い頃のようには行かなくなってくるのでした。
そしてこれを機に、母に連れられ、地元ですごく有名な皮膚科の門を叩く事となるのです。
これが、私と皮膚科の最初の出会いでした。
アトピー体験談②へと続きます。